意味を持つ

「おはよう」
・・・なんて、今日初めて会いましたという顔をして彼と言葉を交わしていた私。

その頃、彼と私は友達に隠れるようにして会ったりしていたんです。
隠れる理由など特に無かったのですが
公にしてしまうことが良いとどうしても思えなかったのです。
漠然としたその思いは、彼も同じ様子でしたので、2人の中で黙っておくことが暗黙の了解になっていました。

秘密の共有が心を強く結びつけると言いますが、そうした要素も多大にあったと思います。
さらりと素知らぬ顔をして会話をする私たちと
「オフレコ」の時の私たちにはかなりの温度差があり、それを楽しんでいるようなところもありました。
もちろん、やり取りを楽しんでいるだけではなく
彼そのものにちゃんとした気持ちは抱いていましたが・・・。

彼とそうした関係を続けて行ったのですが、ある時
全てが意味のないことのように思え始めてしまったのです。
きっと、バランスが崩れ心に歪が生まれてしまったのでしょう。

彼とこうして密やかに会い続けていることの意味が分からなくなった私は
彼と会うことを少し止めることにしました。
そして冷静さを取り戻していく中で、無意味だとかではなく、意味を持たせるのは自分自身でしかないのだと
思うようになりました。

その後、2人の関係は公のものにして随分と肩の荷が下りたような気がしています。

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